商標とは

商標とは商標とは簡単に言うと、需要者(消費者)に自分の商品や役務(サービス)を他者のものと識別(区別)してもらえるように使用するマークです。

例えばお醤油を買うときに、何もマークがついていなかったらキッコーマンのお醤油なのか、ヤマサのお醤油なのか分かりませんよね?このように商標は、消費者の商品の選択に一役かっている訳です。
 
他者と識別できるマークであれば商標として必ず登録されるのかというとそうではなく、商標法において保護される商標は法第2条で下記のように規定されています。

「『商標』とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(『標章』)」(2条1項柱書)

つまり、識別力があっても、テーマソングのような音、味やにおいは商標としての登録をうけることができません。

また商標については、平面的な商標でなく、立体的なものも商標登録を受けることができます。(これを『立体商標』と言います。)
身近な立体商標の登録例では、不二家のペコちゃん、ポコちゃん、早稲田大学の大隈重信像などがあります。

商標の機能

商標には「自他商品識別機能」、「出所表示機能」、「品質保証機能」、「宣伝広告機能」という大きく4つの役割があります。

自他商品識別機能とは、文字通り自分の商品等と他人の商品等を区別する機能です。例えば、たくさんあるお茶のペットボトルの中から、これは伊藤園の「おーいお茶」だとか、これはキリンの「生茶」だとか区別して商品選択できるような機能のことです。

出所表示機能とは、同一の商標を付した商品等は常に一定の出所から流通されていることを示すものです。例えば、SONYとついている商品はSONYから、NECとついていればNECから出されている商品であることを意味します。

品質保証機能とは、同一の商標を付した商品等は、同一の品質を有していることを示すものです。日本のどこで買ってもコカコーラの味は一緒ですよね。そのように同じ商標を付しているものは常に同じ品質を有しているという目安になるものです。

広告宣伝機能とは、商標によって自分の商品と、他人の商品の差別化をはかり、需要者に自分の商品を買いたいという意欲を起こさせる機能のことです。

防護標章制度とは

商標法の中には著名商標を保護するための規定がいくつか存在します。その一つが防護標章制度です。

防護標章制度とは、著名な登録商標の禁止権を非類似の範囲にまで拡張する制度です。

商標は、使用を前提とするものであるので、防護商標という言い方でなく、防護標章という言い方をします。

例えば「パナソニック」は家電製品等において著名な登録商標ですが、全く赤の他人が指定商品ガムについて「パナソニック」を登録し、その商品が粗悪品であったらブランドイメージが傷つくかも知れません。しかし、パナソニック株式会社がガムを製造することは考えにくいので通常の商標登録を受けたのでは3年経ったら不使用取消審判で権利が消滅してしまうのです。

防護標章で指定商品ガムを出願した場合は、防護標章は不使用を理由に取り消される事はないので他人に対し権利行使をすることができます。

こう書いていくと良い制度のように思えるのですが、防護標章制度はあまり利用されていません。なぜなら原則として全国規模の周知性を必要とし、また出願費用も二倍程度となるからです。

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